駐輪所に自転車を止めて、涙目の莉愛を見下ろす。


小柄な体。色白の肌。柔らかい癖毛の髪。

ちょっと幼いけど可憐な顔立ちと、
自信なさそうな立ち振る舞い。


こじんまりしていようが
根暗に俯いていようが、


多分、まぁまぁ可愛いと思う。



「わ、かわいい女の子が泣いてる」



そう言う声は聞こえた瞬間、目で殺すよね。


「ひっ! 怖!」


莉愛はまぁまぁモテるんだけど、
まったく気づいてない。



莉愛に惚れるような悪趣味な男は俺が潰してきたから。


だって邪魔じゃん?



莉愛は俺の所有物なのね。

つまり、俺のいうことが絶対。



過剰な抑圧は人格を歪めるってのはよくある話だけど。


まあ、歪ませちゃったかもね。



莉愛はめちゃくちゃネガティブに成長したと思う。