【完】爽斗くんのいじわるなところ。

でも脈がないことなんて百も承知だから……。



脈がないから、もっと頑張らないといけない。



これから少しでも距離を縮めていけたら……。うん。


気持ちを切り替えて、爽斗くんの服をつんと引いた。



「あの……。だから、恋愛の相談に乗ってほしいの」


「は?」


「た、たとえば……爽斗くんの好きなタイプの子ってどんな子?」


「なんで俺? 俺の好み聞いたって意味ないでしょ。ゆうし……いや、好きな人の好みとは違うんだから」


「そうかも、だけど……」



いや、全然そうじゃないよ。


爽斗くんのタイプが知りたいのに……。



「てか、待って。なんで俺が莉愛に恋愛相談なんかされなきゃなんないの?」


「え……」




冷ややかな視線があたしを貫く。


ひやりとした。



「馬鹿にしてんの? お前の恋なんてどうだっていいんだよ」



怒気をはらんだ低い声は小さくて。


爽斗くんが本当に怒ってるときの怒り方だ、これ……。



「ごめ、」



相談をするだけって思ったのに、
そんなに怒らせることだとは思わなかった。



ギシ、と音を立ててベッドから立ち上がる爽斗くんは
鋭い視線をあたしに向けて



「俺には関係ないし、勝手にすればいいだろ」



——バシン、と勢いよく窓を開閉して、部屋を出て行ってしまった。












それから一週間、
テスト前日になった今日まで一度も爽斗くんと話していない。



毎日、”ごめんね”と反省文を書いたメモをベランダに置いておいたけど
一度もカーテンが開くことはなかった。