【完】爽斗くんのいじわるなところ。

爽斗くんはずっと無言だ。



傷むと悪いからって保冷剤もしっかりいれて


冷えきった中身のぐちゃぐちゃな冷たいお弁当なんて、


おいしくないよね……。



「……」



さっきまであったはずの会話も
まったくなくなった。



こんなの食べさせてごめんね。



その言葉がでそうになるけど、

言いながら泣いてしまいそうで、


結局何も言えなくなった。



爽斗くんは黙って箸を動かしてる。



冷たいお弁当で体が冷えていく。




「あの……あったかいスープもあるんだけど……」


「ちょうだい」


こんなに即答されてしまった。


きっと体冷えちゃったんだ。



保温効果のある水筒にはいった
コンソメスープを出して
コップに注いで手渡した。


「さんきゅ。……あ、これって」


「え?」


「なんでもない」


コップに口をつけた途端、


「あちっ、」と爽斗くんの肩が跳ねた。



「ご、ごめん……!熱すぎた? 大丈夫……!?」


「……へーきだから」


ふー、と冷ます爽斗くんを見ていたら、
すごく泣きたくなった。



……なんであたしは

なにをやってもこんなにだめなんだろう。




……こんなお弁当食べさせて、


それどころかやけどまで……。


作ってこなければよかった……。


ぷくっと目元に浮かんだ涙が膨らんでいく。


「ごめん、ちょっとお手洗い……」



すぐそこの女子トイレに走って、個室に入ってすぐ、
ハンカチで涙をぬぐった。


ごめんって気持ちでいっぱい……。