【完】爽斗くんのいじわるなところ。

でもあたしも、爽斗くんの好きなものは
結構知ってるつもり。


だから今日のお弁当は爽斗くんの好きなものを
たくさんいれたんだ。



「なんか腹減った。そのへんの店で昼食にしよ」


「あ……お店?」



そっか!
遠足じゃないんだから、お店で食べるのか……!


遠足のイメージが強すぎて、
お弁当なんて作って……あたしって……。



「どーした?」


「ううん、えっと……どこのお店にする?」


「莉愛は何食べたい?」


「爽斗くんの好きなもの……」


「主体性ないね」


「あ……」


ごめん、と思いながら隣を歩く。


「どこもすげー混んでんな。だるいけど並ぼうか」


「うん……」


「歩くのめんどくさいし、ここでいい?」


「……うん」


並ばなくても、お弁当なら……食べられるけど。



「なに? なんか言いたいことありそうな顔してない?」


顔を覗き込む爽斗くん。
どうしてあたしのこと、よくわかるんだろう。


「……あのね、実は……お弁当があるの」


「弁当……、このへんで売ってんの?」


「ちがうの。お弁当持ってきちゃったの。二人分……」


「え?」


「遊園地にお弁当なんてへんだよね!変なんだけど、間違えて……」

あわあわと言い訳を並べるあたしの顔は
羞恥に熱くなっていく。



「あ……え? 遊園地に弁当って別に変じゃないでしょ」


そう言ってもらえ少しほっとする。


「なに? 莉愛が作ってきたの?」



でも爽斗くんはこんなに混乱してるんだから、
やっぱり変だったのかなぁ……。



「うん……」


「まじで……」


「でもごめん、本当に、間違えて。お店で食べよう!?」


「なんでそうなるんだよ。弁当食べるに決まってるだろ。世界の食品ロスは年間13憶トンだぞ。莉愛の分際で加担すんな」


「は、はい」



流れるように叱られてしまった。

それと、足が速い。

隣歩けっていうペースじゃない。


あたしはいつものように慌ててあの背中を追いかける。