「……うわぁーそんな殺し文句言う? わたしいるのに言っちゃう?」


げんなりした仁胡ちゃんが
眉根に皺を寄せつつも笑って言うと、



「だって俺、莉愛ちゃんのこと大事だからねー」


頬杖をついて優心くんも笑う。


「あ……ありがとう。あたしも優心くんのこと、大切だよ」


「ほんと?うれしー」


「だから二人ばかっぷるみたいな会話やめてよ、はずかしいな!」


「いんだよねー、俺達ずっとこうだもん」



ほんわかとした空気に包まれていつのまにか
肩に入った緊張感が抜けていく。


このくらいリラックス出来たら
遊園地の日もうまくいくかな。


「二人が一緒だったら心強いなぁ……」



「そんなの俺たちサヤに邪魔者扱いされるんじゃないの?」



「そんなことないと思うけど」



優心くんとあたしの会話をきいていた
仁胡ちゃんは少し考えて



「ね、ユーシン。わたしにいい考えがあるんだけど……」


「……おーそれいいね」



ふたりがこそこそと話してるのを
キョトンとしながら見ているうちに
チャイムが鳴って授業が始まってしまった。


……ふたり、なにを話してたんだろう?