【完】爽斗くんのいじわるなところ。

幼馴染よりも、恋人側に近づけるっていう意味?


……爽斗くんの気持ちは……?


はっきり言ってほしい。


だからあたしも誠意をもって、勇気出してはっきりと聞いたんだ。




「爽斗くんはあたしに独占されたいの……?」



そう思ってくれているの?


ドキドキしながら、振り絞った声。



舞い上がりそうな嬉しさが混ざる、ド緊張の中で聞いたのに。



「……。はぁ?」



間を空けて聞こえたのは不本意そうな声で、
胸の奥がひやりとした。



きゅうに立ち上がった爽斗くんは
あたしに背を向けて



「なんで俺が? 思うわけないよね。莉愛のくせに自惚れんな」



……あ……違った。

あたし、間違えたみたい。



「……、だ、だよね。知ってた……」




そう強がって口角を上げても、
あたしの瞳は潤んでいく。


振り返った爽斗くんは
バツがわるそうに笑って


「……なんで泣くんだよ」



と、あたしの目もとに手を伸ばす。


険しい顔して、
今、めんどくさいって思ってるよね。



「……めんどくさ」



やっぱりこういう勘だけは
しっかりと当たるんだ。



「……めんどくさくてごめん」



嫉妬心が混ざってしまったのか、
おもった以上に沈んだ声がでた。



あたしは蘭子さんみたいに
弾んだ会話なんてできないし、


勇気出して、
少し手を伸ばそうとしたら
めんどくさいって思われる。



これが、あたしと爽斗くんなんだ。



「……もう帰る」



踵を返して、ベランダに出ると、



「……あ、莉愛」



その声に振り返ってしまうのがあたしで、


いつも無視するのが爽斗くん。



……悔しいな、
こんなに脈の無い片思いなんて。




「待てよ莉愛」


だからその声に、
あたしは振り返らず。




「……嫌だ」



そう吐き捨てて部屋に帰ってしまったんだ。