「蘭子ちゃん、ごめん。ちょっと今から犬の相手しないといけなくて。うん。それじゃ」
通話を終えたスマホが
ポイっと投げられて布団に沈んだ。
なんできゅうに電話切ったの?
こっちはすごくもやもやするのに
なんでそんな楽しそうなの?
眉間に皺を寄せた
すねきった顔で聞いてみる。
「……、犬ってあたし?」
「お前以外誰がいんの」
「……。あたし、いつから犬になったの……?」
「えー知んね」
両頬を包む手のひらが、爽斗くんの視線へと導く。
もやもやした気持ちでいっぱいのあたしの目の前には
いじわるに口角をあげる爽斗くんがいて。
「……すごい顔。莉愛なんで怒ってんの?」
バカにするような声で笑われた。
爽斗くんの察する通りあたしは不機嫌で、怒ってるよ。
爽斗くんだけを追いかけてるような
本気の気持ちだから、
他の子見て欲しくないから。
だから……怒ってる。
そういうあたしって
爽斗くんにとって、そんなに楽しい?
……ひどいよ。
あたしの目線を上げさせて、
視界いっぱい、
爽斗くんは意地悪く微笑んで問いかける。
「……今の莉愛の気持ち、俺が当ててやろっか」



