「写真の期限っていつまでだっけ?」
「……明後日です」
「え、ヤバ。どうすんの?」
「この体育祭に全てがかかってる」
「うっわー、何それ危な」

話しながらカメラを構え写真を取り続ける。
何かいい顔をした生徒が1人でもいたらいいんだけどな。
そんな事を思っていると、カメラのレンズ越しにちょうどいい2人組を見つけた。


「……見つけた」
「えっ、ちょっ! 先輩どこいくの!?」


仲良く並んで会話をする2人の後ろ姿にそっと近づき、カメラのシャッターを切った。
撮った写真の確認をしていると後から遅れて来た春輝が、私が誰をモデルにしたのか気づき「本当にいいの?」と声をかけてきた。


「先輩、いいの?」