「かんっっぜんにやらかした」


こんなはずじゃなかったのにな。
ただそう思うだけで、心にポッカリと穴が空いたような気分だった。


「そっか、あの2人付き合うのか」


そっか。そっか。
そっか………。
多分、現実を受け入れられないってこういう事なんだろうな。


「付き合うのか……」


ぽつり、ぽつりと言葉にするだけでその言葉の重さが時間差で私にのしかかってきた。


「そっか、付き合うんだ」


ハハッと乾いた笑いがこぼれる。
付き合うという言葉の重さ。
そして現実が私の心臓を深く突き刺し、抉ってくる。
その痛みに耐えられず、ポロポロと涙がこぼれた。
いくら拭っても止まらない涙に為す術なくいると、私を呼ぶ声が聞こえた。