「で? 喜多実先輩と結局デート服買いに行く事になったの?」
「……はい。そうなんです」


私と春輝はよく写真部の部室にこもっては授業をサボる癖がある。
昨日、蓮と出かける約束をしてしまい憂鬱な気分が抜けられず朝からずっと部室にこもって、今は3時間目の授業が始まろうとしていた。
春輝は2時間目の途中から部室にやって来て、こうしてウダウダしている私を見かねたのか話し相手になってもらっていた。


「俺ね、先輩は好きな人に振り向いてもらえるように髪まで切っちゃう健気な人なんだなってこの前まで思ってたんだけど」
「……はい」
「ここまでいくと、ただのアホな人?」
「残念ながら否定ができません」
「何でオッケー出しちゃったわけ?」