「でも、やっぱり先輩と一緒にこうして夏休みを過ごせてるから楽しいよ」
「………そうですか」


相変わらず、春輝からの好きというアプローチは続いている。
体育祭の後の、あの騒動で私が余計な事を言ったせいでもある。
カメラを壊した犯人の女の子達から謝罪をしてもらい、カメラの修理代は全額負担させる事も約束してくれた。
どうやら、裏で春輝がトドメを刺してくれたらしい。
だけど、肝心のあのカメラを直せる人をまだ見つけられていない。


「はぁぁ……」
「先輩、大丈夫? 何か飲み物買ってこようか?」
「いや、まだ大丈夫だよ」


何だかまるで、彼女みたいな扱いだ。
茉心から聞いた話しによると、他学年の間では私と春輝が付き合っているという噂も流れているらしい。