貴方がくれたもの

「山ちゃんのお陰で、いつも楽しいよ!」


ホントかねぇ〜wなんて言われながら、お店に向かう。


ここからお店は10分くらい。ギリ間に合うかな。


4人でケラケラ笑いながら歩いていたら、10分なんかあっという間だった。


あーあ。もう着いちゃった。


お店のドアを開けて、中に入る。


カランカラーンッ


『いらっしゃいませ〜!』


元気よくバックからボーイが出てくる。


「じゃあ、着替えてくるね♪」


やまちゃん達が席に通されたのを確認して、あたしと一美さんはバックに向かった。


持ってきた背中が大きく開かれたドレスに着替えると、仕事モードに切替える。


素でいると、ボロが出るかもしれないから。だから、客の前ではキャラを作る。


『あみちゃん!今日ほんとーーにありがとう!!!誘ってくれて!!!』


「あ、いえいえ♪昔お世話になってたので、少しでも恩返しです♪せっかく同じお店に居るんですから♪」


ね、こんな御託もペラペラと出てくる。


席に着く前に、携帯を確認した。


【こう】


ん?どしたんだろ。なんかあったかな。


メッセージを開く。



『今日何時に帰ってくんの?』


あー。どうしよ。でも今日早く帰ろうか迷ってたしな。


「同伴した客が帰ったら帰ろうかな。いつもそんな長いこと居る人じゃないし。」


『12時前だったら連絡して。迎えいく!』


まじか…。


「12時超えたらごめんね」


『1時までなら起きてる!』





こいつ…どんだけだよ…