貴方がくれたもの

同い年のこうは、普通の同い年の子よりも稼いでた。


『何か欲しいもんあれば言えよ』


こうの口癖はいつもそれ。


あたしは、それに甘えるのが嫌だった。


だから、仕事も夜だけどしてた。


高校中退して、[中卒]って肩書きしかないやつを、雇ってくれる所はなかなか無かった。


だから、職探しも苦難した。そこでたどり着いたのが、やりたくも無かった夜の世界だった。


酒を飲むのは嫌いじゃない。むしろ好き。だけど、酒が弱いあたしは、そんなに量は飲めなかった。


ペース配分が出来なくて、でも、緊張したらいくら飲んでも酔えないから。だから客からは、


『あみちゃん酒強いねえ!呑ませがいがあるよ!』


なんて言われてた。