貴方がくれたもの

店に着くと、座敷に通される。


こうはあたしの隣、聖也は咲希の隣。

あたしの目の前には咲希が居る。


注文は適当に男子陣に任せ、女は運んだり、下げたりするのを手伝った。


最初はやっぱりビールだった。


「「おっつかれーーい!!」」



カチンッと綺麗な心地いい音を合図に、皆で呑み出した。


そこからは、各々でなにか食べ物を頼み始める。


『彩珠深は何食べる?』


「こうと同じでいいよ」


自分で決めるのが大っ嫌いなあたしは、いつも人任せ。


それをある程度分かっているこう達は、

念の為にあたしに一言言ってから、自分達で決めて頼んでくれる。


それをあたしが横からつまむ。


これが一番落ち着くんだ。何も考えなくて済む。


一通り飲んで、一通り食べ終わったあたし達は

時計を気にしながら話し込んでいた。


『そういや、さーちゃんから聞いたけど、
クリスマスダブルデートどこ行く?』


聖也は咲希と同じでノリノリだった。


『あー。どうする?俺はもう彩珠深と
行く場所決めてたんだけど、
みんなでそこ行く?』


『『え、どこどこー?』』


……そこ2人でハモんのかよ。


『聖也に後でメールしとくわ〜!お前らには内緒!!』


「ケチくせ。教えてくれたっていいじゃん」


男が考えたサプライズは言ったら面白くねえだろ?と。


何を考えてるのかさっぱりだった。