貴方がくれたもの

「なに、結局休むん?」


聞くまでもなく、店のオーナーに連絡をしていた。


なんで、こうも決めたら早いんだこいつは。

こっちの話も聞けや。


とりあえず、こうに一報入れとくか。




「お疲れ様。咲希がクリスマスダブルデートしよってさ。今即決された。どーする」


まだ夕方前だから、多分返事はない…はず。


そう思い携帯を放り投げた瞬間、携帯が鳴る。


早くね…?




『ん?それ聖也知ってんの?』



「今咲希が必死にメールしてるから、知ってるんじゃない?
つか、知るのも時間の問題じゃん?」



送り終わった後に咲希に確認する。


「聖也には?ゆったん」


『今言ってる〜♡』



あっそ。とだけ投げ捨てタバコに火をつけた。


灰皿はあっという間にあたしらの吸殻で埋め尽くされる。


吸いすぎじゃね?なんて思っていたけれど…


そりゃあたしらが寝てるはずの時間に、咲希とギャーギャー騒いでるんだから

しょうがない話か。



そうこう話していると、時間もいい時間になってきた。


「化粧道具、持ってきたん?」


『もち〜♪』


「風呂は」


『あー、今日はいいやっ!
外出てないし〜ずっと彩珠深と話してたし!』


「あー、そう。んならあたし入ってくるから先に化粧とかしといて。」


了解〜♪の言葉を背に、あたしは風呂に向かう。


全部洗い終わって脱衣場に上がると、玄関が開く音がした。


あ、帰ってきた。



リビングに入るためのドアが開く音がして、こうの驚く声が聞こえた。


そりゃもう居ないとは思うわな。