『ここ美味いんだってー!』


社長に教えてもらった〜♪ってなんでそんなにノリノリなんだ。


まぁ、確かに、風に乗ってくる香りはいい匂い…。

こうに続いて店内に足を進める。


『いらっしゃ〜い』


気さくなおばちゃんだと思った。
常連だと思われる客はみんなお母さんって呼んでるくらい。
でも、ピッタリだと思った。


『何食う?!』

んー。そんなに食べる気がしなかった。
だから軽めにみそサバ定食にした。

こうはガッツリ食べたかったのか、肉じゃが定食とサイドで生姜焼きを頼んでた。


めっちゃ食うやん…よくそんな細い体にその量が入るよ。


昔少し聞いてみたことがあった。

「なんでそんなに食ってんのに痩せてんの?」

本当に素朴に思った疑問だった。


『いーだろーーー!!』


ってニヤリと笑って返されたから、もうそれ以降は聞いてないんだけど。


『はいよー!お待ちどうさま!』


おばちゃんの元気な声がかかり、目の前に注文したものが並べられた。


「待って。くそ多いんだけど。」


思ったことは同じだったらしい。


『お前…食べ切れる…?』


「いや、絶対無理。」


簡単に言えば、トラックの運ちゃんが立ち入るような、安くて量がある。みたいな感じ。


とは思ったものの、とりあえず箸をつけた。



……美味しい。


確かに、量はある。けど、温かいような、おふくろの味って感じ。


あたしは3分の1程を食べて、こうは完食した。あんたの胃袋、どうなってんのよ…


食べ終わって、お互いに一服した後店をあとにする。


『ありがとうね〜!またいらっしゃい!』

「ご馳走様です♪」


やっぱり、元気なおばちゃんだ。