あれから、何事もなく平凡に日々は過ぎていった。


ちょうど暦では、冬を指していた。


「うわぁぁぁぁ、さっぶい!!!」


コタツに潜るか、ヒーターを付けてないと部屋の中でもコートを着てないと居られないぐらい寒かった。


ガチャッ


『さーーむーーいーー!!!』


「おかえりwいや本当に寒い。コタツ入りな」


『その前に〜』


とだけ言うと抱きついてきた。


『んーーー。あったかーーーい』


「あたしは寒いんだけど?」


なんてやり取りで笑いあって。一緒にお風呂に入った。


「今日も仕事とかありえないし。」


不貞腐れながら化粧という名の仮面を被る。


『お前ほんと化粧すると顔変わるよな〜』


「そりゃ!仮面ですから!!」


今日着るドレスを選んで、それに合わせた髪をセットする。


て言っても、巻くか、ストレートか、ハーフアップか…位しかないんだけど。


パジャマを脱ぐだけでも身震いするくらいの寒さ。


「いぎだぐなああああい。ざむいーー」


けど、行かなきゃならないから渋々着替えた。


「あれ?」


いつの間にかこうが居なくなってることに気付いた。


暫くすると聞きなれたアイドリング音。


ほんと。さり気ないね。


着替えて外に出るとこうがタバコを吸っていた。


『やーっとでてきた〜!飯行くよ!』


その言葉を聞いて車に乗り込む。


車の中は相変わらず大音量で洋楽がかかっていて。


向かった先はちょっとした定食屋さんだった。