貴方がくれたもの

もういいや。切り上げよ。


そのメールを返すことなく、準備が出来たあたし達は、ボーイのところに向かった。


『あみおはよ!いや、今日さんきゅーね!まじで客入んねえわ!www』


こんなクソ田舎で、ど平日に来る方がまず居ないだろ。


「いーえー♪あ、これお財布!持ってて〜」


と渡すと、ロックのかかった箱にしまう。昔中身スられた事があるらしい。だから今は個人管理じゃなくてみんな集めるんだって。


あたしはどうでもいいけど。


じゃあ、行こっか!とやまちゃん達の所に通される。


なんつー格好?!と目を見開かれたが、そんなのお構い無しだ。


あたしはやまちゃんの方、一美さんはもう1人の方に座る。


『なんでこんなぱっくり空いてるやつ着てんの?!目のやり場が…』


…純粋路線?


「なんか今日はこれ着たかった気分だったんだよね〜」


とは言え、いくら夏場とは言えどクーラーがガンガンにかかった店内は少し肌寒かった。


フワッ


何かが肩にかかる違和感があった。見るとそこにはやまちゃんが着てたパーカー。


「なにこれ?寒くないよ?」


『いいから着といて』



………彼氏か!あんたは!!!


「んー?まぁ、分かったよ!ありがとう♪」


目の前のふたりは何故かニヤニヤしながら見てる。面倒だなぁ。


「もーー!!見せもんじゃないですよ!」


そう言うと同時くらいに、やまちゃんはあたし達の飲み物を頼んでくれていた。


ほんと、さり気ないよな〜。そういう所が嬉しかったりする。

「やまちゃんありがとう♪」


『だって、頼まないと乾杯出来ないじゃん。飲むなら一緒に飲みたいし。』


…だから彼氏か!!!