囚われの小説家と使用人〜私の王子〜

「真斗さん……」

私の体がまた震える。真斗さんは葵さんに「出て行け」と命じて部屋から追い出す。葵さんは「ごめんね」と言いながら部屋を出て行った。残された私は真斗さんに見つめられる。

「さっきのあの顔、何?ムカつくんだけど……」

「ご、ごめんなさい……」

真斗さんの声が、視線が、全てが怖い。また泣いてしまいそうになって俯くと、グイッと真斗さんに顔を持ち上げられて強制的に目を合わせられる。

「ムカつく。何で俺の前ではそんな顔しかしないの?精一杯愛してやってんのに」

そう言われた後、真斗さんは無理やり私にキスをした。唇がぶつかり合って、苦しい。恋人がいたことがない私は、好きな人とするキスは特別なんだろうなって想像して小説でそういうシーンを書くたびにドキドキしてた。でも、今は違う。

「やっ!んっ……ふっ……」

舌を無理やりねじ込められて、堪えていた涙がこぼれていく。すると、真斗さんは嬉しそうに笑って私の涙も吸っていった。