ラインの通知音が2回鳴って、机に向かって勉強していた私は、シャーペンを置いて、スマートフォンに手を伸ばす。



今日は夕方からお祭りに行く予定だから、きっと芽瑠かな、なんて思いながらラインを開いた。



通知を確認すると、1件は予想通り、芽瑠から、もう1件はなんと陽平からのラインだった。



陽平からの連絡なんて珍しい。




『調子はどう?』




いつものカウンセリングルームみたいな質問のラインに、やっぱり壁を感じてしまう。




『平気だよ。今日、芽瑠たちとお祭り行くの。』




そう返して、今度は芽瑠とのチャットルームを開く。




『今日、浴衣持って早めにうちにおいで~!お母さんが着付けてくれるって!』




読んだと同時に反射的に時間を確認した。



15時を過ぎた頃だった。



とりあえず家を出るか。




『今から準備して行くね。』




芽瑠にそう返したとき、陽平からの返信はまだなかった。