その後、私と芽瑠は足だけを海水につけて、ガールズトークを始める。
うちの男子たちは察しが良くて、女子だけになりたいときにそうさせてくれる。
「この前、椿先生となんか話した?」
そして芽瑠も、相変わらずの察しの良さだ。
"「もし俺が雪花を助けられなかったら、俺はスクールカウンセラーを辞めようかと思ってた。」"
"「雪花が初めて全てを打ち明けてくれたときから、絶対にこの子は俺の手で助けるって、そう決心していた。」"
あのときの陽平の言葉が蘇る。
"「私の姿は、陽平の昔の恋人に重なる?」"
"「その口ぶりだと、まるで昔の恋人を陽平が助けることができなかった……そう言っているみたい。」"
あのときの私のセリフも。
そして、
"「相変わらず、雪花は鋭いね。」"
肯定の意味に聞こえた、肯定も否定もしない陽平の返答まで。