…………意識を取り戻したとき、まず真っ先に聞こえてきたのは、数人の男の人の話し声。
恐る恐る目を開けると、そこはどこかの不良が溜まり場にしていそうな倉庫のような場所だった。
私はその倉庫の中で、なぜかソファーに横たわっている。
……身動きがとりづらいと思ったら、手首を後ろで拘束されているのと同時に、足首も丁寧に縄で拘束されていた。
その上、口には猿轡までされている。
起き上がることすら困難な私が、声のする方へ視線を向けると、見覚えのある顔の男と視線が合った。
私の横たわるソファーとはローテーブルを挟んで向かいのソファーに腰を下ろし、足を組んでいる彼が、愉しそうに笑顔を浮かべる。
「おはよう、雪花ちゃん。」
「……っ、」
声にならない声が喉の奥で詰まる。
彼は愉しそうな表情のまま立ち上がり、私の横たわるソファーの前まで来ると、私と視線を合わせるようにそこでしゃがみ込んだ。