「雪花、芽瑠ちゃん、これとかどう?」
陽平の声で、私は我に返る。
思考の渦から脱出して、今の現実に戻ってきた。
「あ、可愛いー。」
芽瑠が反応して声を上げる。
「雪花はこっちの色かな。」
陽平が私に選んでくれたのは、上がオフホワイトにブルーの花柄が入っていて、下はオフホワイトのレースフリルのもの。
「陽平、センス良すぎ。」
思わずそう声を発した。
「芽瑠ちゃん、こっちね。」
芽瑠の方は、上はブラックにグリーンの花柄が入っていて、下はブラックのレースフリルのもの。
さっきの浴衣が芽瑠はオフホワイトだったから、ギャップがあって凄くいい。
「可愛い~。椿せんせー連れてきて正解だった。」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。……で、いつまでもここにいるとちょっと怪しい人になるから、そろそろバイバイね。」
陽平のその言い方が少し可笑しくて、私と芽瑠で笑いながら、去って行く陽平に手を振った。