まず最初にやって来たのは、浴衣がずらりと並ぶコーナー。
芽瑠はそれを見て一人でウキウキしている。
「雪花、ちょっと来てー。」
芽瑠のその言葉で、着せかえ人形タイムが始まった。
「紺でも可愛いし、白も捨てがたいよねえ。」
ひとりごとを言いながら、彼女はコーディネートを楽しんでいる。
私はただ突っ立て、次々と浴衣を合わせられているだけだった。
もうまさに着せかえ人形。
そろそろ退屈になってきた私は、芽瑠の浴衣を選んであげることにした。
お互いに似合いそうな浴衣を手に取っては合わせていく。
それを繰り返すうちに、2人でふっと笑いが溢れた。
「傍から見たら面白すぎる構図だよ、今。」
そんなことを芽瑠が言うものだから、また笑い声が上がる。