「……で、」




私は前を歩く背の低い女の子に向かって、そう切り出した。




「なんで私はショッピングモールに連れてこられてるわけ?」




「えー?」




彼女はくるっとこちらに振り向いて、可愛らしい笑顔を浮かべる。




「海に行くから、水着買わなきゃでしょー?お祭りには浴衣で行きたいしー。ほら、雪花に似合うやつ選んであげるからさ。」




「私は着せ替え人形……?」




「だって、雪花、なんでも似合うんだもん!選び甲斐があるじゃん!」




キラキラした瞳でそう言われると、なんだか諦めもつく。



今日の私は芽瑠の着せ替え人形になるしかなさそうだ。



夏休みということもあって、ショッピングモールはそれなりに混み合っていた。



芽瑠は、私が人混みが苦手なことを知っているので、優しく私の手を引いて歩いてくれる。



彼女のこういうところが、その辺の男子よりイケメンだと思う。