「雪花、これ教えて欲しい。」




英語の問題集を解いていた翔吾が、後ろを振り返って私にそう言ってくる。




「あー、これね。ノート貸して。」




私は翔吾のノートに、ポイントを整理しながら、説明していった。




「んー、難しいな。」




「あ、じゃあ、もう少し基礎から教えようか。」




英文法の基礎的な説明をすると、翔吾が感嘆の声を上げた。




「今のでわかった。すごいな。英語科の先生、誰もそんな説明してくれなかったぞ。」




横でその説明を聞いていた芽瑠も、




「今のは目から鱗。まじで。」




と、言ってくれる。




「雪花、本気で教員向きかもね。」




芽瑠から、そんな嬉しい言葉までもらった。




「翔吾、ここ教えて欲しい。」




今度は芽瑠が翔吾に、数学の問題を教えてもらおうとしている。




「あ、私もそれ聞きたい。」




そこに便乗した。