「あとは、今の家から通える大学にするかどうかだけ聞いておきたい。」
この質問の答えは既に決まっていた。
「通えるところがいいです。」
私は今現在、一人暮らしだし、特に引っ越したい理由もないからだ。
「よし、これでかなり絞り込める。」
「あ、あと、国公立の大学がいいです。金銭的に。」
私がそうつけ加えると、担任の先生と陽平は同時に、ふっと笑った。
「雪花、意外とちゃんと決めてるじゃん。」
「外国語系で、教職課程があって、家から通えるところで、国公立な。完璧だよ。」
あれ?
言われてみると確かに、進路希望がはっきりとしている。
「こことか、どうだ?」
担任の先生が、見せてくれたパンフレットには、最も近い公立大学の名前が載っていた。
「お前が今の成績をキープできるなら、推薦書を出してやるぞ。」
そう言われた瞬間、私の中でやるべきことがはっきりとした気がした。
「推薦、希望します。」
これが最適解だと私は確信していた。