小さい頃は魔法が存在するものだと思っていた。 「...え?」 同じ学校の人は誰も通らなくて。 わたしたち二人しかいない、小さな公園で。 わたしの中の空気と外の空気が溶け合って、またそれを吸った。 「だーかーらー、もしも魔法が使えたらどうするって」 「なんだ、その小学生のプロフィール帳みたいな内容」 小さい頃は、ある日魔法の力に目覚めて、本当に魔法が使えるようになるんだと、信じていた。 努力すれば、わたしの指先から魔法が紡がれていくものだと思っていた。