ハツカフィルム

そして、勢い良く屋上の扉を開ける。

そこには屋上の縁に立つ皐月の姿があった。

「皐月!!!」

彼女は僕に気付き、振り返った。
その顔は悲しげな表情をして、笑っていた。

「待って、どうして。」

彼女の儚い姿は宙へと舞った。

空に咲く花。

群青に溶けていく青いワンピース。

僕を見つめる皐月の悲しげな顔。

その瞬間、時が止まったように感じた。
まるで写真の中に入り込んでしまったかのように。

「好きだ。」

その光景に一番似合わないであろう言葉を口にした直後、世界は動き出した。

空に上がっていく花、地に落ちていく皐月。

今日は、何て最低な日だ。