学園の王子様のドレイになりました!?

「ふーん、カレシくんがねえ。災難だ」

「ついにウチらも倦怠期なのかな〜……」

「言ってまだ1ヶ月じゃん、付き合いだしたの」

「はあーあ……恋愛って、もっと楽しいモンだと思ってた……

 新太、生真面目だからアタシのダメなところを直してくれるかな、チョー構ってくれるかな、って思ったのに……妄想だったのかな」

 大きくため息をついてうなだれる彩花ちゃん。

「そんなことないよ、カレシくんも彩花ちゃんと一緒にいたときは幸せそうだったよ!」

「ホント!?」

 だって一緒に帰ったとき、

《彩花はかわいいな》

 ……って、心の中でつぶやいてたもん!

 ……と言えればいいんだけど。

 さすがにテレパシー使ったなんて言えない。

「カレシくんにもう一度きいてみたらどうかな、自分のことをどう思ってるのか……って!」

「おお、ナイスアドバイス」

「ありがとう美英! 早速きいてみる!!」

 えっ、もうきくの!?

 メッセージできこうとしてるのか、スマホを取り出しては文字を打ってる。

 カレシ……か。

 いたら、彩花ちゃんみたいに明るくなれるのかな。

 楽しいばっかりじゃないみたいだけど……

 それでも、幸せだと思える日々が続くのかな。