俺の友達は超能力が使えるようです!

事件?事故?ぐるぐると俺の中に心配が渦巻いていく。朱莉が家出なんて考えられない。となると、道端で倒れてしまったのか?事故に遭ってしまったのか?まさか誘拐!?

母さんの電話を切った後、俺の体が震えているのがわかった。どうしよう、朱莉のことでこんな気持ちになるのは初めてだ。

「一、大丈夫か?」

水彩画を描く手を止め、俺の隣に優がやって来る。でもそれにまともに答えることもできず、俺は首を横に振った。すると優は俺を連れて美術室を出て空き教室に向かう。

「朱莉……朱莉が……まだ帰ってないって……」

二人きりになったことで少し落ち着き、俺は何とかそう言うことができた。でも、もしも朱莉に何かあったらと思うと……。

「大丈夫!俺が妹ちゃんを見つける!」

震える俺に対し、優が俺をまっすぐ見つめる。それはまるで何か大きな覚悟を決めたような表情だった。

「俺、実は普通の人間にはない能力を持ってるんだ。それを使えば妹ちゃんを助けられる!」