ベッドに入り、2人で天井を見つめる。

トーマ様のベッド、すごく広いな。

2人で横になってるのに、まだまだ余裕がある。

「なんか不思議な感じだよな」

「ん?」

私は、トーマ様の方を見た。


「リリアと、ずっと手紙のやりとりしてて、リリアのこと結構わかってたつもりなのに、やっぱりこうやって実際そばにいると、また新しいリリアに会える」

「うん、私もそう思う。手紙だけじゃ、わからないこともあるものね」

私は、そのたび、どんどんあなたのことが好きになってるんだよ。


私はまた、天井を見つめた。




「なぁ、あの12歳の時、リリアが俺のために、小さい絵を書いてプレゼントしてくれたの覚えてるか?」

「・・・あ、そんな事あったね」

あの時は、トーマ様が色々あったみたいで、落ち込んでて、何とかしてあげたかったんだ。

だから、葉書にトーマ様が好きだって言ってた、2人で遊んだ、思い出の丘の風景書いて送ったっけ

懐かしいな。


「あれ、すごい嬉しかったな。リリアの優しい気持ちが嬉しかった。今でも、あの絵、写真たてに入れて、机に飾ってあるんだ」

トーマ様は、微笑んだ。


それを聞いて、はっと思い出した。

トーマ様の机の上の、伏せられた写真たて、あれは私の絵が入ってたんだ。


うれしさが、こみ上げてきた。

あんなに昔のことなのに、まだ大切にしてくれてるんだ。

すごく、嬉しいよ。

ありがとう、トーマ様。