「ごちそうさまでした」



先に食べてた、私とチチリさんが立ち上がった。


食堂を出ようとすると、

「あ、二人とも、ちょっと待って」

マーヤさんに呼び止められた。

何だろう?

「チチリちゃんは、毎年のことだからわかっているだろうけど、30日はトーマ様の誕生日パーティだから、前の日から準備がんばってちょうだいね」


誕生日?

トーマ様の?

うそ、知らなかった。

そうなんだ、もうすぐ誕生日なんだ。

自然と顔が、にやける。


「今回はトーマ様の20歳の誕生日。これでトーマ様が正式な王になるわ。式典にはたくさんのお客様がくるから、頑張って、もてなしてくださいね」



「はい」

私達は元気よく返事し、食堂を後にした。