少年が見たかった世界

知らない。

誰だ?

「…誰ですか?」

女が振り向く。

…同学年の女子っぽい。

でも、見たことがないから他校の女子か?

「雨が降ってるのに干してるから取り込んでおこうと思って。」

「…ありがとうございます。」

変な奴。

そもそもどこから入ったんだろう。

門扉(もんぴ)は鍵付きで僕が入るまでかかっていたのに。

「あそこ、お庭があるでしょ?簡単に抜けられたわ。」

鍵の意味がないか。

「君は誰ですか?」

「近くに住んでる山田麻里(やまだまり)よ。よろしくね。」

そう言って山田さんは優しく微笑んだ。

僕みたいな奴だ。