少年が見たかった世界

「隣?引っ越してきたんですか?」

「ええ、昨日。…敬語使わなくていいわよ。」

「分かった。あの、早く拭かないと風邪引いちゃうから。」

「じゃあ…」

そうか、隣は空き家だったから。

昨日は一日中家にいたし、だから気付かなかったのかもしれない。

でも、挨拶もしないのか?

まぁ、初対面で詮索するのは良くないだろう。

「はい、どうぞ。」

と言って、僕はお茶をテーブルにタオルを山田さんに渡した。

「ありがとう。ところで、あなたの名前は?」