ロミオは、ふたりいない。


「前も言ったけど
ジュリの字
オレ、好きなんだ」



1年の時

ユートと同じ整美委員会で

書類を書いてる時に言われた



「木々羅の字
かわいくて、好き」



木々羅の字っていう

修飾語が付いてるのに

ドキドキしたのを思い出した



「あの時ね
私ちょっとドキドキしたんだ」



「へー…
オレは、ずっとドキドキしてた」



「え?」



「ジュリと同じ委員会入ったのも
ジュリが好きだったから…」



「でも、あの時、クジ引きで…」




整美委員会はわりと仕事が多くて

誰も立候補がいなかった



「じゃあ…私やります!」



「女子は木々羅さんに決定ね

男子ー
誰か立候補いないの?
いなければクジ引きするよー」



確か
先生がそう言って…




「うん
クジ作ったのオレだもん」



「うん
なのになんでユートがなったの?」



「最初からクジに何も書いてなかった

ジュリと一緒にやりたかったけど
ここで立候補したら
好きなのバレるじゃん!て思って

あ、ヤベー…オレだーって
何も書いてないクジ、ポケットにしまった

あの時も
もぉ、ジュリのこと、好きだった」



そんな、真っ直ぐ言われると…


ドキ…

ドキ…

ドキ…



「ユートの字、綺麗だよね!
成瀬と一緒に習字ならってたんでしょ」



「そんなこと言ってたの?リョータ
リョータの方が上手いけどね

なんでも昔から
リョータの方ができたから…」