「あ、眞子、あがった?」
「うん
ちゃんと温まったよ」
「いいお湯だったよね
景色もよかったし…
やっぱり一緒に入りたかった?」
「ひとりでゆっくりできたよ」
「それ、答えになってないよ
隣の部屋に布団敷いて行ってくれたよ」
「ホントだ」
「眞子、浴衣♡」
「ん?」
「結局、襲いたくなる
…
けど…
眞子、疲れてるから
またちょっと横になりなよ」
「さっき、少し寝たし、大丈夫だよ!
下にカフェがあるみたいだから
夕飯の前に行かない?」
「んー…カフェもいいけどね…」
天神が敷いてある布団にダイブした
「こーゆーさー
ホテルの布団て
カップルで来てるのに
なんでわざわざ二組敷くんだろうね…
どーせ、一緒に寝るのに…
逆にエロいよね」
「天神が言うからでしょ
誰もエロいとか思わないよ
…
一組しか敷いてない温泉
泊まったことないけど…」
「最初から一組しか敷いてなければ
余計なこと考えないで
そこで寝るしかないな…って
スムーズにことが運ぶのにね」
「天神、おもしろい」
「高校の卒業旅行
彼女とふたりで温泉行ったんだ
…
オレも彼女も大学進学決まってたけど
大学卒業したら結婚したいって
彼女に言われて
なんかこわくなって
その日、同じ布団で寝れなかった
…
たぶん、そーゆー人のために
二組敷いてくれるのかもね…
…
その後、別れた」
「へー…」
「今のは、おもしろくない?
眞子、おこった?」
「んーん…別に…」
おこってはないけど…
少しだけ嫌な気分になった
どの部分に
嫌な気分になった?
彼女と温泉旅行に行ったこと?
結婚したいって言われてこわくなったこと?
たぶん
後の方



