PM6:45
「もしもし…」
「どーしたの?眞子
電話なんて、めずらしーじゃん」
「うん
昨日、来てくれたの?」
「あぁ…
たまたまあのケーキ屋通って
眞子の誕生日だし…
食べたいかな…って思って…
誕生おめでとう」
「うん、ありがとう
せっかく来てくれたのに、ごめんね」
ウソ…
たまたま通りかかって買える店じゃない
1ヶ月前から予約しなきゃ買えないのに…
「持って帰って食べたけどね
…
あそこに住んでないってことは
うまくいってるんだね」
「うん
彼のアパートに引っ越した」
「引っ越しました的なハガキとかなかったけど
まさか、結婚しましたのハガキだったから
送りにくかったとか…?」
電話の向こうで笑い声が聞こえた
「してないよ…」
私もつられて笑った
「けどさ、来年40じゃん、眞子…
まだ間に合うんじゃない?」
「なにが…?」
「子供…」
「子供?」
「欲しくないの?」
欲しくなくは、ない
「まぁ、彼、若いけど
産婦人科医目指してるんだろ
それならオレなんかより
ぜんぜん解ってると思うけど…
欲しいなら早い方がいいよ」
「うん…」
私のことを
心配して言ってくれてるんだろうけど…
誰の子供?
私と誰の子供?
だって彼
まだ学生だし
結婚も考えてないのに
子供なんて…
「この前、暁くんに会ったでしょ
なんとも思わなかった?」
「んー、感じのいい好青年だと思ったけど」
「年の差とか…」
「彼、年齢よりしっかりして見えたし
眞子だって年よりは若く見えるよ
そのへんは気にしなくていんじゃない」
「見た目とかじゃなくて…」
「んー、学生だし収入ないんだろ
医師になるまで眞子にも負担かかるかもね
彼は、なんて言ってる?」
「なんて…?
別に…なにも…」
そんな話、したこともなかった



