「暁くん
ごめんね…
もぉ来ないと思うから…
次は来ても、絶対入れないから…」
「柴咲さんが、どんな人と結婚してたのか
オレも興味あったから…
話せてよかった
…
かっこいい人だね」
「どこが!
無理に褒めなくていいよ」
暁くんの方が何倍もかっこいいよ♡
「ちゃんと自分を持ってる人だね」
んー…そーかな…
たしかに
譲らないところあったからね
「それから…愛されてたんだね」
「え?誰が?」
「柴咲さん
…
今も愛されてるのかもね…」
今も…?
どこが?
「いいの?」
「ん?なにが?」
「オレで…」
「当たり前だよ!
暁くんがいいよ…
…
ダメ、なの?」
今更ダメとか言われても…
「オレは、好きだよ
…
すごい、好き…」
ドキン…
「うん、私も、大好き…」
「眞子…って…
オレも呼んでいいの…?」
「うん…もちろん!」
「なんか、ズルいな…って
少し思った」
「ん…?」
「別れたのに、眞子って呼んでて…
…
オレの知らないこと
いっぱい知ってたし…
…
他にも、いろいろ…」
「そんな…気にしないでよ!
ごめんね、ホントに…
あーゆー人なんだよね
ホント、なに考えてるんだろ!」
暁くん
やっぱり
嫌な気分だったよね
「何年一緒にいたの?」
「え?」
「何年一緒にいたら
あんなふうになれるのかな…って
ふたりのやり取り見てて思った」
「んー…知り合ってから…19年ぐらいかな…」
「すごいね!」
暁くんが笑った
あ…よかった
よかったのか?
「人生の半分じゃん!」
「うん、そーなんだよね…」
19年前…
暁くん
やっと産まれたぐらいだね
「じゃあ、オレも…
それぐらい一緒にいたら
あんなふうになれるかな…」
え…
それって…
「あ!暁くんもコーヒー飲む?
無理にお酒付き合わせてごめんね!」
「そんなことないけど…
じゃあ、コーヒーもらおうかな…」
「うん、いれてくるね!」



