手を繋いだまま
私のアパートに着いた
暁くんが私の手を離さなかった
「暁くん、ありがとう
…手、離して…」
「さっきの返事もらえますか?」
さっきの…
彼女になってください
「暁くん…本気、なの?」
「オレって、そんなに信用ないですか?」
信用ないとかじゃなくて
信じられない
暁くんが
私を好きって…
そんなふうに考えてくれてるって
思ってなかったから…
「…」
「柴咲さんを困らせたいわけじゃないです
…
さっきからずっと、困った顔してる
…
…
わかりました
じゃあ…」
どーしたらいいか…
この歳でもわからない
この歳だから
わからない
もっと若かったらな…
暁くんみたいに
暁くんみたいに
自由に恋愛できるのに…



