可愛いあの子の秘密

[side尚央]

くそ。なんで俺がこいつと二人きりでいなきゃ行けないんだよ。

てか連れて行けよな??

てかもう学校じゃねぇか。

しかも俺ら2人って馬鹿なのかあのババア。

こちとら一応婚約者なんですけど。

起こすか…。

無邪気な顔で眠りやがって。。

「―……様……お嬢様……優奈お嬢様!!朝ですよ。起きてください。」

どうせこいつ起きねぇよ。

「……ん、あと5分…」

ほら。嘘ついたら起きるだろ。。

「もう8時過ぎですよ??良いんですか??」

これだったらこいつも起きんだろ。

「え!?」

驚いて飛び起きたか。

「…ったくやっと起きたか。起きねぇから、脅かすための嘘だよ、ば—か」

呆然としすぎだろ。口空いてる怠け顔。

「そ、そんな嘘つかなくてもいいじゃないですか。」

どもるし、敬語だし、少しはほかの執事同然タメ語でもいいのに。

あそーだ。いいこと思いついたや。

「てかお前さ、俺ら2人だけなんだしタメ口でいいだろ。」

これで少しは、俺が婚約者だってこと思い出すだろ。

「え、あ、そ、そうですけども。」

よし、敬語使ったらなんか罰ゲームでもしてもらお。

「じゃあ優莉様が帰ってくるまでタメ語な」

「あ、え、は、はい。わ、わかった。」

これでようやくこいつに近付けたし。

「な、尚央。「なに??「尚央も学校行くの??「当たり前だろ?」」

なんでこいつこんなオドオドしてんの。

不覚にも可愛いから許すか。

「あ、な、尚央。今日は、歩きで行こう?」

え、待ってこんな可愛かったけ??

「え、あ、おう。あ、ちゃんと歩道側歩けよ。俺が車道側歩くし。」

こいつのこと守らなきゃ行けないらしいしな。

「う、うん。ありがとう」

タメ語の方がこいつ可愛いな。。

「あ、あれ。阿良々木??お前黒川くんと仲良かったのか??」

「で、出ましたわね。悠衣さん。今日もあの方と一緒ですの??」

あの方って誰だよ。

「あ、ゆず?いるけど呼んできてやろうか??」

しかもこの女見た目整ってるしスタイルいいのに男勝りな喋り方してんな。

「べ、別にいいです。な、尚央行きますよ。」

「え、あ、あぁ。」

「またなー!阿良々木ー。」

「尚央は、どうして私の執事になろうと思ったの??」

なんでって言われても決められてたし

「なんでって決められてたからじゃない??」

「それだけ??」

「え、あぁ。そうだよ。俺の両親は阿良々木家の会社の直属の下請けだし。」

「やっぱそういうものよね。」

「え?あぁそうだけどそれがどうした??」

「いえ、なんでもないの。私には、やっぱり普通の恋愛なんて出来ないんだなって思っただけだし。」

なんだ俺じゃ嫌ってこと??それとも他の奴らみたいに普通の恋愛して結婚したかったってこと??

「お母様とお父様は恋愛結婚なのに。まぁ婚約者同士だったのだけれど出会った時に恋に落ちたみたいなの。」

やっぱり普通の恋愛したいのか。

「へぇーそうなんだ。だから仲良いんだな。俺のとこは、攻略結婚だからそんなに仲良くねぇな。外面いいだけで。」

「私には、お兄様が1人いるの。お兄様は、すごい。」

「あぁ。侑希様か。」

「お兄様は、普通の恋愛ができる。でも私は、2番目に生まれたから。普通の恋愛なんてできない。」

なんだのこいつ。俺じゃダメなのかよ。

「俺じゃダメなの??」

「え?!?」

「え?」

ん??俺、な、何言ってんだ???

「お、俺じゃダメなの?ってどういうこと…?」

あーあ。俺墓穴ほった。

「い、いや違うって言うかいや違くないんだけど。」

「ふふ。あははっ!!尚央おかしいわ。ふふ。」

こ、こいつ笑ってんじゃねぇかよ。

「な、なんだよ。何笑ってんだ!」

「い、いひゃい。はなひて。」

くっそ。可愛すぎんだろ。。

「私は、好きな人がいても叶わない」

「そうだな。俺がいるし無理だな。」

「尚央。ありがとう。」

「お、おう。」

これから覚悟しろよ。優奈。