「だったら、ご一緒します。
私、これでも有名人なんですよ。
許可取りが、簡単になります。」

そう言うと

ニッコリ笑って前を歩き始めた。

ただその背中が、淋しそうに思え……

「嫌、大丈夫だから……先に指導室に行ってて。
これでも一応先生なので
許可くらい、一人で取ってみせます!」

そう言って彼女がしたのと同じようにニッコリ笑うと

驚いたような表情の後で………。

さっきとは違う、自然な笑顔で微笑んだ。

不自然な作り笑顔と……中学生にしては大人びた気遣い。

なのに………

自分で言っておいて、淋しそうな後ろ姿。

さっき関には『大丈夫だ』と言ったけど………。

やっぱり彼女は………

何かを抱えてる気がする……………。

ヨシッ!

担任初仕事だ!!

気合いいれて、話を聞きますかぁ~




これが彼女との出逢いで………。

俺にとっては

今でも後悔として、心を揺さぶられる………

時間の始まりだった。