*・.・* 時間旅行 *・.・*

うんうんと頷く大人達。

「それで……
我が校の受験は、どうする?
現実的な話をすれば
夏生は、中学生。
受験には、保護者の同意が必要になる。
内緒って言うのは、難しいと思うぞ。」

澤先生の助言に

「その事なんですけど…
私には、父親がいて……」

えっ??

父親?!

驚く俺に頷いて。

「認知はされてないですし。
そうだと……言われてもいないけど……
絶対……私の父親なんです!」

認知してなくて

存在すら認めていない男が父親?

複雑過ぎる内容に、戸惑う。

「夏生ちゃん、ちょっと良い?」

話しに割って入ったパン屋のお兄さん事……洋介さんが

「その人とは、交流があるの?
どんな人か教えてもらえる??」

コクリと頷くと

「私の空手の師匠です。
師匠は……母の写真を大切に持っています。
物心がついた頃には……
理事長達と同じように、側に居た人です。
彼は………私の叔父だと言ってるけど、父親だと思うんです。」

藤堂が、真剣に訴えているのは分かるけど……

何の根拠もない話を信じるのは……