*・.・* 時間旅行 *・.・*

「先ず俺は、洋介。
さっき入ったパン屋のお兄さんで
可愛い店員さんが奥さんの彩ちゃん。
実はお兄さん、パン屋の他にもうひとつ顔があるんだけど……分かる?」

幼稚園の先生のような話し方に
俺も『なんだ??』と考えていると。

「実はお兄さん、こう見えて探偵さん。
まぁ、探偵って言うと響きは良いけど……
町の便利やさんなの。
浮気調査に近所のネコ捜し。
子供の落とし物を捜した事もあったよ。
………っで
相棒がこのイケメンホスト風の圭哉と弟の彰人。
コイツらも、昼は喫茶店と夜にbarをやってるんだ。
まぁ、探偵だけだと食べられないからね。
こっちは……
幼稚園の副園長先生。
奥さんの元上司で、ロリコン。」

「洋ちゃん~
その紹介止めてよぅ~
幼稚園の副園長がロリコンだと
捕まるよぅ。
それに唯ちゃんは、成人した女性です。
それを言うなら、ここにいる殆どがロリコンだよ。
俺は、森悠人です。
タンポポ幼稚園の副園長をしてます。
年の差はあるけど、ちゃんと成人した女性ともうすぐ結婚するので安心して下さい。
俺は探偵じゃないんだけど……
この人達、人使い荒くて……呼ばれたんだ。
だからあんまり役に立たないけど
よろしくね。」

幼稚園の先生らしく、人好きのする笑顔で藤堂に挨拶した。

俺も教師だから分かるけど

子供が安心する声と表情

ゆっくりとした説明は、藤堂をリラックスさせてくれた。