*・.・* 時間旅行 *・.・*

………………大人だぁ。


幾つくらいの人達なのかも分からないけど……。

とにかく人生経験が違いすぎる。

ガキ扱いされて当然だ。

来て直ぐは

藤堂の人生に関わる秘密事項を

こんな男達と一緒に聞くのかと

正直、尚人を恨んだけど。

今なら分かる。

この人達を

澤先生が集めてくれたんだ。

ガキの俺だけだと

手に終えないと判断して……。

改めて、澤先生の教師経験の

深さに感動していたら。

「こんにちは。」と

可愛らしい声が、玄関の方から聞こえてきた。

これからの事にドキドキする俺に

「リラックス、リラックス!」と
肩を動かすよう指示してくれる
さっきの男の人。

頷いて、同じように肩を動かしていたら。

「失礼します。」と

綺麗な所作で襖を開ける藤堂。

改めてお嬢様だと思う。

「固くならなくて良いよ。
足も崩してオッケーだからね。」と

パン屋のお兄さんに促され

俺の隣に座った。

「あの………」

口火を切ろうとした藤堂に。

「頑張らなくて大丈夫。
ここには、君の味方しかいないからね。
話したい事があったら遠慮なく言えば良いけど
おじさん達の話を聞くだけでも大丈夫だからね。
先ずは……
知らない変なおじさんがいっぱいで不安だろうから
おじさん達が自己紹介するね。」