檸檬が欲しい




その後藤宮さんがコンシェルジュに一言伝え隣の建物にある喫茶店に入る。


藤宮さんはクリームソーダー、鳴瀬くんはサンドウィッチ、僕はパンケーキとお腹が空いてたのか他の人を気にせず各々自由に注文する。


僕がパンケーキを頼んだ時は お前が頼むのかよ?  という顔を店員にされたが。



店員が去ってから沈黙が続く。

2人とも外方を向いて話す気配が全くない。



さっきの話しの続きをする為に店に入ったんじゃないの?

お冷が冷たく感じないほどに空気がひんやりしている。



あぁ、以前の親睦会の賑やかな雰囲気が懐かしい。

「その、そろそろ話しに」


さすがにこれ以上は耐えれません!

「はぁー、まず勘違いしてるみたいだけど私は市谷先生とは付き合ってたこともないし、これから付き合う予定もないわ。」


眉を歪め、大きな溜息をついた後に一息で話し、クリームソーダーを一気に啜る。

その流れに瞬きをする暇もなく魅入ってしまう。



僕が編入する前のことだから全ての事はわからないが、その市谷先生は藤宮さんとの噂により他に飛ばされた。

または辞職したのならば2人にはそれなりの関係があり、そうせざるを得ない証拠も有ったはずだ。



彼らの関係は何処まで取り沙汰されているのだろう。


何も言わずに鳴瀬くんの方に一瞥する。


授業以外は教室に居ないことが多いし、人の世評とか興味無さそうだけど、鳴瀬くんが切り出した話だし、きっと何か思って突っ込んだに違いない。



期待と胸騒ぎがする。
どっちかと言うと不安で胸騒ぎのが強い。




そして自慢ではないが僕の第六感は結構当たる。