檸檬が欲しい


先程の少女は目覚めて直ぐに僕に抱きついている状況に気づいた。


そして情けない事に僕は女の子相手に防御する術もなく思いっきり叩かれた。





親にも打たれたことないのにというお決まりの言葉が脳裏に浮かぶ。しかも何という偶然か、神の悪戯か

その女の子は同じクラスの生徒だった。





やばい!めっちゃ睨まれている



この教室に入って来てから僕の頬を見て動揺した様子も見せず、寧ろ面白がっている人もいた。



先ほどの木に登っていた不思議な美少年だ。



まさか、この人まで同じクラスだったとは。


目が合ってあっちも気付いたのか弧を描く笑みで返された。





こうしたちょっとした動作も絵になる。
しかし今はそれが妬ましく思う。