まだ未成年のくせに、煙草に火をつける動作はとても手馴れていてそれがもう自然にしか思えなかった。
声掛けてくれると思わなかったなぁ。
前髪が長くて今どんな顔してるのかわからないし、何話していいかもわからない。
朔くんも、なにも話さなくて、心の中で「話さないんかい!」って思いながらあたしから話しかけた。
「美味しいご飯屋さん知ってる?」
「この近くですか?」
「うん、このあとご飯行くんだ〜。友達とこれ終わりに合致して」
「うーん、呑みに行くかラーメンしかしないんで、ご飯屋さんはわかんないかも」
「いいよ、おしえてよ!」
「ここから10分くらいのとこにある、串家なんですけどうまいですよ」
スマホのナビで調べてみると、本当に10分くらいのところにお店があって、上げられてる写真もとてもおいしそう。
「ここいく!」
「また、感想聞かせてください」
そう言って煙草を消すと、
じゃあ、と屋内に入っていった。
あたしも、入ろうかな。
少しあとに煙草を消して、そのお店の地図をスクショしたあとモモカに連絡を送った。

