あたしがそう言うと、「何だそれ……」と栄治が呟く。さすがに呆れられたかなとあたしもうつむいた刹那、その顔を思い切り包まれて強制的に栄治と目を合わせられた。

「チョコレート、今もらったから!今さら嘘でしたとかなしだからな!俺も……俺も……ずっとお前のことが好きなんだよ!!」

栄治の目には夏の日差しのように熱い想いがあって、それがあたしに向けられているのだと思うと嬉しい。気が付けば、あたしは泣きながら笑ってしまっていた。

「あたしたち、両片想いだったんだ〜……」

今まで避けていたのが馬鹿みたい、そうあたしが言うと栄治に「泣きやめ、馬鹿」とおでこを叩かれる。

「ちゃんとお返しするから待っとけよ。あと……お前は泣いてるより笑ってる方がいいから」

栄治にそう言われ、胸が高鳴っていく。うん、と笑顔で頷いていた。

真夏のチョコレートはきちんと恋を実らせてくれた。でも、冬にはもっと豪華なチョコレートで恋を彩りたい。

そう強く思った真夏の日。