エピソード3
そして、夏休みになった。
夫婦で自営業を営む両親は、しばらく出張するそうなので、東京の祖父母のところに弟と一緒に預けられることになった。

最初は、自分は受験生だと言い聞かせ机に向かってみたが、なんのために勉強してるか分からなくなって、怠け出していた。

そんなある日、ユミから電話が掛かってきた。

「サキ、ゴホッ、ゴホッ…」

「ユミどうしたの?大丈夫?」

「大丈夫じゃないっっ!!」

電話ごしにユミが怒りながら泣いているのが分かった。